坐薬入門
どうも、エンゼルは北島店で管理をしておりますYと申します。
季節はもう冬・・・。だんだんと寒くなってきた今日この頃☆
みなさん お風邪などひいてないでしょうか?
これからエンゼル各店舗の管理が持ち回りでブログ記事を書くことになりまして、栄えあるトップバッターを任せられたはいいものの、肝腎のネタが思いつかない。薬局お得情報か、薬の雑学か、はたまた日々のよしなし事か。いったいなにを書けばいいのやら。
うーむ、冒頭で少し触れました風邪などで発熱したときに使用する坐薬の話でも致しましょうか(#^.^#)
坐薬は大きく分けて油脂性基剤のものと水溶性基剤のものがあります。
ちなみに、(坐/座)薬も、(坐/座)剤も同じ意味です。ダイソーに売っている?(売ってない)ザ‣薬とは違うものです。
まず基剤とはなにか。これは薬の主成分とは別に、その薬の形を調えたり、効き方を調節したりするためのものなんです。
では油脂性基剤と水溶性基剤、この二つにはどのような違いがあるのでしょうか。
油脂性基剤は読んで字のごとく、脂です。薬がチョコレートでコーティングされていると思ってください。(実際坐薬の中にはチョコの原料のカカオ脂を基剤にしているものもあるんですよ)
チョコですから、体内に入ると体温で融けてしまいますね。坐薬の中に冷所で保存しておいてください、と言われるものがあるのはこのためです。逆に言えば体温ほどの温度でないと融けないわけですから、冷蔵庫の中でなくても、室温(30℃)以下であれば保存することができます。
冷蔵庫で保存した場合、使用するときに坐薬がきんきんに冷えた状態だと肛門が刺激されて便が出ることがありますので注意しましょう。
アルピニー、アンヒバ、パラセタなどの解熱鎮痛剤、ボルタレンサポなどの解熱鎮痛抗炎症剤、新レシカルボンやテレミンソフトなどの下剤、ネリプロクトなどの痔疾用剤などが油脂性基剤のグループに含まれます。
翻って水溶性基剤。こちらは水分を吸って溶ける薬なので、まず体温ほどの熱で融けることはありません。(といって灼熱のダッシュボードの上に置いとくような実験はやめてくださいね)腸内の体液に溶け、吸収されることで効果を発揮します。水に溶けるので、入れにくいときはぬるま湯などで先端をふやかせてから入れてもいいかもしれません。
ナウゼリンなどの吐き気止め、けいれんを抑えるダイアップ、鎮痛抗炎症剤のインテバン等がこちらのグループになります。
注意。坐薬を2本同時に使う場合、同じグループの基剤なら緊急性の高いほうを先に入れること。例えば、解熱剤のパラセタと下剤のテレミンソフトなら、先に効いてほしい解熱剤をまず入れましょう。その後5分以上は間隔をあけてからテレミンソフトを入れてください。
では違うグループの基剤だったらどうでしょうか。
先ほど申し上げましたように、油脂性基剤の坐薬は挿入後体内の温度で融けます。そうしますと大腸内に融けた基剤の油膜が張られます。この状態で水溶性基剤の坐薬をつかうと、水溶性基剤に練りこまれていた大事な薬の主成分が、体内に吸収されずに油脂性基剤で張られた油膜に溶けてしまうのです。ものによっては半分以上が油膜に溶けてしまうものもあります。こうなるとせっかく入れた坐薬の効きめが弱まってしまいますね。
これを避けるために、油脂性基剤と水溶性基剤の坐薬を同時に使うときは、ナウゼリンなどの水溶性基剤の坐薬を先に使い、30分以上待って主成分を体内に十分吸収させてから、パラセタなどの油脂性基剤の坐薬を使うようにしましょう。ここ重要です。
というわけで、今回は坐薬の種類と使い方についてのお話をしました。薬を服用したり使用したりするときは医師や薬剤師の指示をきちんと守りましょう。
インフルエンザが流行する時期です。帰宅時の手洗い・マスクの着用(すき間のないように)など予防を心がけてこれからの季節を乗り切ってくださいね(*^^)v